道草 

  聴く

               令和6年11月

 

最近、説明している時に

子供がよそ見をしたり

遊んでいると

「話を聞きなさい」と叱ります。

この言葉は私自身も親や先生など

たくさんの人から言われて育ちました。

 

今の私は人の話を聞けているでしょうか。

自分に関係のある話は

聞いている自信はありますが

実際は自分本位の解釈をしていて

受け取り方を間違えていることがあるのです。

そして私に関係のない

興味のない話になると記憶に残らず

「そうだっけ?」

「そんな話したかな」

などと流してしまうことがあります。

 

こう考えると人の話を

しっかりと聞いて

正しく理解することは

とても難しいことなのだと感じます。

 

人は歳を重ねると

伝えることは上手になっていきますが

人の話を聞かなくなっていきます。

食事会などで

先輩の自慢話を後輩が

延々と聞かされている光景が

鮮明にイメージできます。

人は歳をとると聴くことよりも

自らが話すことを優先してしまうのでしょうね。

 

「口は一つ耳は二つ」  

と言う言葉があります。

これは話した二倍話を聞こうということです。

 

ここまで「聞く」

という言葉を使いましたが

これは音や声が自然と

耳に入ってくる時の漢字です。

そして「聴く」という言葉もあります。

これは話しを理解しようと

自ら耳を傾けることを意味します。

 

蓮如上人の言葉に

「ただ仏法は聴聞に極まることなり」

とあります。

仏法もそうですが

ただ聴くのではなく

心から聞く事が大切ですね。

 

これを機に

今一度聞く姿勢について

改めたいと思います。

 

 

 

           記  副住職